【Story Of Art.1】シンガポール建国60周年:現地在住・日本人アーティスト三輪つゆ美の最新コレクションが、各地で展示の快挙!

Art of Singapore1 サムネイル

シンガポールでアーティストとして活躍中の「Voyage」リーダーズの三輪つゆ美(Tsuyumi Miwa)さん。これから彼女の作品とその想いを語る”アートストーリー”のコラムがスタートします!

今回の記事ではそのコラム開始に先立って、アーティストとなるまでの道のりと、シンガポールで近日開催される最新コレクション「Singapore Cultural Series(シンガポール・カルチュラル・シリーズ)」展示イベントの詳細をお伝えします。

今年は”シンガポール建国60年”という、シンガポールにとって記念すべき年。”Singapore Heritage Fest ”で、そのシンガポールの文化を描いているのが、シンガポール人ではなく日本人であることは、彼女のシンガポールを形作る魅力的な多文化への深い理解、そしてキャンバスに落とし込んだ表現力が高く評価されている証と言えるでしょう。

アートの制作風景
アートの制作風景
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アーティスト三輪つゆ美 ”人生に欠かせないアート”

まず、三輪つゆ美さんのプロフィールをご紹介。

幼い頃から書道と絵画を学び、加えて日本でさまざまなドラマに出演。芸術への情熱から多摩美術大学で演劇と美術を学び、その後イタリアで美術史を学ぶ機会を得ます。さらにオーストラリアで過ごした後、日本に帰国し、東京でラジオ/テレビのアナウンサーとしてのキャリアを積みます。

その後、シンガポールで外資系企業勤務を経て、シンガポールを拠点に絵画を発表。作品は、熱帯の気候に適したアクリル絵具を使用して制作。写実的というよりも表現的で解釈的な彼女の作品において、”色と光”が極めて重要な役割を果たしています。厳格な制約を受けずに描くことを好み、創造性に富んだ作品が特徴です。

シンガポールの多文化を色彩豊かに描く、最新コレクション

シンガポールの豊かな文化に触発された彼女の最新シリーズ「Singapore Cultural Series(シンガポール・カルチュラル・シリーズ)」は、大胆な色彩とダイナミックな構図によって、シンガポールの多様な遺産を捉えています。

Singapore Cultural Series(シンガポール・カルチュラル・シリーズ)
Singapore Cultural Series(シンガポール・カルチュラル・シリーズ)

三輪つゆ美が初めてシンガポールを訪れたとき、すぐにこの街の多文化な魅力に惹かれた。しかし同時に、風に吹かれるろうそくのように、静かに消えつつある伝統工芸があることにも気づいた。それがきっかけで筆をとり、消えゆく職人技の最後の輝きを描きとめることを決意。彼女は、いつか人々が彼女の作品を見るとき、自分が歩いた街角、耳にした物語、日々のローカルな暮らしに彩りを添えた職人たちのことを思い出してほしいと願っている。

彼女が描いた、100年以上の歴史を持つ地元の茶館や職人たちをテーマにした6点の作品は、最近まで「シンガポール・ポロクラブ」で無料展示されていた。日に焼けた肌に鮮やかな赤いドレスをまとい、彼女は明るい笑顔で語る。

「このシリーズを描き始めたのは、パンデミックで世界が静まり返った2021年でした。絵を描くことは単なる創作ではなく、自分自身を見つめ直す時間でもありました。シンガポールに10年以上暮らしてきた中で、多くの伝統工芸がゆっくりと消えつつあるのを目の当たりにしました。職人たちや彼らの物語が、いつか忘れ去られてしまうかもしれないと思うと、胸が締めつけられるような気持ちになりました」。

彼女は、このシリーズの意味は単なる絵画にとどまらないと考えている。

「これは、職人一人ひとりの物語を記録し、彼らを育んだ文化や精神を伝えるものでもあります。伝統の美しさに敬意を表し、地域社会の温もりに感謝する気持ちを込めました。日常の何気ない瞬間こそが、シンガポールの特別さを際立たせていると思います。職人たちは手仕事を通じて、過去の知恵を未来へとつないでいます。私の筆を通じて、彼らの情熱や貢献がより多くの人に届き、忘れ去られつつある伝統が守られることを願っています」。

2026年には、”日本とシンガポールの国交樹立60周年”を迎えます。それにあわせて、日本の職人たちの物語を紹介し、両国の伝統文化を並べて展示することも、三輪つゆ美の未来の計画のひとつだ。
「私にとって、とても意義のあることです」。

出典:Lianhe Zaobao 联合早报より抜粋(2025年3月30日に発行/中国語の記事を日本語へ意訳)

「シンガポールヘリテージフェスト2025」での展示期間(2025年5月1日~25日)

「Singapore Cultural Series」の作品のうち10点が、2025年5月に開催される「シンガポール・ヘリテージフェスト2025」のメイン会場「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ – シルバーガーデン」では、2025年5月1日~25日に展示されます。

コレクションの一部の作品と三輪つゆ美さん
Lianhe Zaobao 联合早报より。コレクションの一部の作品と三輪つゆ美さん

「ラッフルズ ホテル シンガポール」での展示期間(2025年5月1日~31日)

観光の合間に訪れやすい「ラッフルズ ホテル」アーケード入り口に展示予定

さらに「Singapore Cultural Series」の全作品が、「ラッフルズ ホテル シンガポール(Raffles Hotel Singapore)」でも同時に公開中。2025年5月1日〜31日に展示されます。

同ホテルのエキシビジョンは、日本人観光客にもおなじみ「ラッフルズ ブティック(Raffles Boutique)」の前、シア・ストリート側の正面入口で行われ、誰でも気軽にアクセスできます。(入場無料)

展示のスタートと同時に「Voyage」のコラムでも、それぞれのアートの魅力をたっぷりとお伝えしていきます。色とりどりの叙情あふれる作品の魅力に浸りましょう! どうぞ、お楽しみに。

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Written By

幼い頃から絵画と書道に親しみ、 10代で女優を経験。
多摩美術大学を卒業後、イタリア留学やアナウンサー業などを経て、12年前にシンガポールへ。

72ヶ国を旅してきた人生は、無限に広がる物語。
まだまだ面白いことが待っている気がして止まない。

国際結婚10年目、地球にやさしい生活を心がけながら、シンガポールを拠点に、その土地の風景や人々、旅の途中で出会った一瞬の美しさや感動を描くことで、世界に小さな魔法を散りばめていけるようなアーティスト活動を継続中。

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