夏バテ・糖化対策に注目!”ティーファースト”で始める紅茶習慣 – 最新研究からわかった「紅茶ポリフェノール」の可能性

夏になると、「朝から疲れが抜けない」「冷房で体がだるい」「食欲が落ちる」といった不調を感じる人は少なくありません。さらに、美容の大敵ともいわれる「糖化」や、食後の血糖値の急上昇も、健康を考えるうえで気になるテーマです。

昭和医科大学医学部教授・山岸昌一先生と、日本疲労学会理事長で神戸大学大学院特命教授・渡辺恭良先生

こうした中、一般社団法人ウェルネス総合研究所が開催したメディア向けセミナー「ウェルネスの最前線 エビデンスから紐解く紅茶ポリフェノールの新たな可能性~抗老化・抗疲労とティーファースト習慣~」に参加。セミナーでは、糖化研究の第一人者である昭和医科大学医学部教授・山岸昌一先生と、日本疲労学会理事長で神戸大学大学院特命教授・渡辺恭良先生が登壇し、紅茶ポリフェノールに関する最新の研究成果が紹介されました。

講演で印象的だったのは、「糖化」と「疲労」は別々の問題ではなく、日々の生活習慣の中で一緒に考えるべきテーマだということ。そして、その身近な実践法として提案されたのが、食事の前に紅茶を飲む”ティーファースト”という新しい習慣です。

そこで今回は、セミナーで紹介された最新の研究をもとに、夏バテ対策や糖化対策につながる紅茶ポリフェノールの可能性と、今日から始められる健康習慣についてご紹介します。

Contents

日本人の約8割が疲れている──”疲労”は現代人の大きな課題に

「しっかり寝たはずなのに疲れが取れない」「夏になると体がだるく、やる気が出ない」。そんな悩みを抱える人は少なくありません。

実際、日本リカバリー協会が実施した「日本の疲労状況2026」の調査では、”疲労を感じている人は77.4%”に上り、人口に換算すると約7,000万人以上が疲れを抱えていることが分かりました。20〜40代では高い頻度で疲労を感じる人が約半数に達し、女性は男性よりも疲労を感じやすい傾向が報告されています。

疲労は単なる”だるさ”ではありません。調査では、目の疲れや肩こり、冷え、頭がぼんやりする「ブレインフォグ」など、日常生活に影響するさまざまな不調が挙げられました。近年は睡眠やリカバリーウェア、コンディショニングなど、「疲れを回復すること」に投資する人も増えています。

つまり今、私たちが向き合うべきなのは、”疲れてから休む”のではなく、”疲れをためない生活習慣”をつくることと言えます。


”疲労”と”老化”は別々のものではなかった

今回のセミナーで、日本疲労学会理事長で神戸大学大学院特命教授の渡辺恭良先生が繰り返し語っていたのは、「疲労と老化には共通する仕組みがある」ということでした。

年齢を重ねると疲れやすくなるのは当然と思われがちですが、疲労そのものも体に少しずつ負担を蓄積させる要因になります。

その背景には、活性酸素による酸化ストレス、慢性的な炎症、細胞を修復する力の低下、自律神経の乱れなど、老化とも共通する仕組みが関わっていると考えられています。

さらに近年、もう一つ注目されているのが「糖化」です。

糖化とは、体内で余分な糖とたんぱく質などが結び付き、「AGEs(終末糖化産物)」という物質をつくる反応のこと。肌のハリや弾力の低下だけでなく、血管や臓器にも影響を及ぼすことが知られ、”老化を促進する要因の一つ”として世界中で研究が進められています。

疲労と糖化。一見別々に見えるこの二つは、実は健康寿命という大きなテーマでつながっているのです。


”糖化”研究の第一人者が注目する「紅茶ポリフェノール」

こうした背景の中で、近年研究が進んでいるのが、紅茶に含まれる「紅茶ポリフェノール」です。

一般社団法人ウェルネス総合研究所が開催した「ウェルネスの最前線 エビデンスから紐解く紅茶ポリフェノールの新たな可能性」では、糖化研究の第一人者である昭和医科大学医学部教授・山岸昌一先生が登壇し、最新の研究成果を紹介しました。

そんな山岸先生が提案する、新しい健康習慣が、”ティーファースト”。

「ポリフェノール」と聞くと赤ワインやチョコレートを思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、紅茶にも豊富なポリフェノールが含まれています。

茶葉はもともと緑茶と同じ植物ですが、発酵の過程でカテキンの一部が紅茶特有の「テアフラビン」や「テアルビジン」といった成分へと変化します。これらが紅茶の色やコクを生み出すだけでなく、健康への働きにも関わっていると考えられています。

これまで紅茶は、抗酸化作用や心血管疾患との関連を中心に研究されてきました。しかし近年はさらに研究が進み、血糖値や脂質、糖化、さらには暑さによる疲労との関係についても、新たな知見が報告されるようになりました。


食前の一杯が健康習慣に。”ティーファースト”という新しい考え方

私たちは普段、食後にお茶や紅茶を飲むことが多いかもしれません。

しかし山岸先生が提案する”ティーファースト”は、食事の前、あるいは食事の最初に紅茶を飲むというシンプルな習慣です。

講演では、紅茶ポリフェノールには、糖質を分解する酵素であるα-アミラーゼやα-グルコシダーゼ、さらに脂質を分解する酵素であるリパーゼの働きを穏やかにする可能性が紹介されました。その結果、糖や脂質の吸収がゆるやかになり、食後の血糖値の急上昇や脂質代謝への影響が期待されています。

もちろん、紅茶だけで健康になれるわけではありません。しかし、”食事の前に一杯飲む”という無理なく続けられる習慣だからこそ、多くの人が日常生活に取り入れやすいのではないでしょうか。


美容と健康で注目される「糖化」とAGEsとは?

さて、美容や健康の分野で、近年よく耳にするようになった「糖化」。これは、体内で余分な糖とたんぱく質などが結びつき、AGEs(終末糖化産物)と呼ばれる物質をつくる反応のことです。

AGEsは、肌のハリや弾力を支えるコラーゲンにも影響すると考えられており、くすみや弾力低下など、美容面でも注目されています。また、血管や臓器にも蓄積することから、健康寿命を考えるうえでも重要な研究テーマです。

特に注意したいのが、食後の血糖値が急激に上がる「血糖値スパイク」です。食後に血糖値が大きく上がる状態が繰り返されると、糖化が進みやすくなる可能性があります。

糖化研究の第一人者である山岸昌一先生は、講演の中で、紅茶ポリフェノールにはAGEsの形成を抑える可能性が示されていると紹介しました。もちろん、紅茶を飲めば糖化を防げるという単純な話ではありません。しかし、毎日の食事の中で血糖値の急上昇を意識し、糖化をためにくい生活を心がけることは、美容と健康の両面で大切です。


”食前の紅茶”がポイント!”ティーファースト”と血糖値対策

山岸先生が提案する”ティーファースト”は、食事の前、または食事の最初に紅茶を飲むという習慣です。

その理由の一つが、紅茶ポリフェノールと糖質分解酵素の関係です。講演では、紅茶ポリフェノールには、糖質を分解する酵素であるα-アミラーゼやα-グルコシダーゼの働きを穏やかにする可能性が紹介されました。

糖質は体内で分解され、ブドウ糖として吸収されます。この分解や吸収が急速に進むと、食後の血糖値が急に上がりやすくなります。紅茶ポリフェノールがこうした酵素の働きに影響することで、糖の吸収がゆるやかになる可能性が考えられています。

また、食事の最初に紅茶を飲むことで、食事全体のペースが整い、食べ過ぎを防ぐきっかけになることも考えられます。忙しい日ほど、食事を短時間で済ませがちですが、最初に温かい紅茶を一杯飲むだけでも、体を整える時間になることは、日々、続けやすいのではないでしょうか。


脂質にもアプローチ? 紅茶ポリフェノールとコレステロール研究

紅茶ポリフェノールの研究は、糖質だけでなく脂質にも広がっています。

山岸先生の講演では、紅茶ポリフェノールが脂質を分解する酵素であるリパーゼの働きにも影響する可能性が紹介されました。つまり、ティーファーストは糖質だけでなく、脂質の吸収にも着目した習慣といえます。

さらに、複数の臨床研究をまとめて解析したメタ解析では、習慣的に紅茶を飲む人でLDLコレステロール、いわゆる悪玉コレステロールが平均4.64mg/dL低下したという報告も紹介されました。

その背景として考えられているのは、コレステロールの吸収を抑えること、体内でのコレステロール合成を抑えること、コレステロールを胆汁酸へ変換し、排出を促すことなどです。

もちろん、紅茶だけでコレステロール対策が完結するわけではありません。食生活や運動、睡眠、体質など、さまざまな要素が関わります。ただし、日々の食事の中で無理なく続けられる習慣として、紅茶ポリフェノールへの期待は高まっています。


世界で蓄積される、紅茶ポリフェノールのエビデンス

紅茶ポリフェノールに関する研究は、日本だけでなく世界中で進められています。

山岸先生の講演では、複数の研究を統合したメタ解析として、紅茶の摂取と冠動脈疾患、脳卒中、血圧、総死亡率、がん死亡率などとの関連についても紹介されました。

こうした研究は、紅茶を飲めば病気を防げると断定するものではありません。多くは、紅茶を飲む習慣と健康指標との関連を見たものです。そのため、記事では「効果がある」と言い切るのではなく、「関連が示されている」「可能性が報告されている」と捉えることが大切です。

それでも、世界各国で紅茶と健康に関する研究が積み重ねられていることは確か。毎日飲まれている身近な飲み物でありながら、糖質、脂質、糖化、循環器、疲労といった幅広いテーマで研究が広がっている点は、紅茶ポリフェノールの大きな魅力といえるでしょう。

”ティーファースト”は、こうした研究を毎日の暮らしに落とし込むための、シンプルな入り口です。


紅茶は”飲み方”の工夫で、健康習慣になる

紅茶そのものは、昔から私たちの暮らしにある身近な飲みもの。しかし、今回のセミナーで印象的だったのは、紅茶を”いつ飲むか”によって、健康習慣としての意味が変わるという視点でした。

食後に楽しむ紅茶ももちろん魅力的ですが、食事の前に取り入れることで、糖質や脂質、血糖値、糖化を意識するきっかけになります。

大切なのは、紅茶を特別な健康食品のように考えるのではなく、毎日の食事のリズムの中に自然に組み込むこと。朝食の前に一杯。昼食の前に一杯。暑い日には無糖のアイスティーとして。甘い飲み物を選ぶ代わりに紅茶を取り入れるだけでも、食生活を見直す小さな一歩になりそうですね。

日本人の疲労状況2026から見る、現代人の”疲れ”の実態

ここからは、渡辺恭良先生の講演をもとに、疲労と夏バテ対策について見ていきます。

講演で紹介された「日本の疲労状況2026」では、日本人の多くが日常的に疲労を感じていることが示されました。疲れは単なる一時的なだるさではなく、目の疲れ、首や肩のこり、冷え、頭がぼんやりする感覚など、さまざまな不調として現れます。

渡辺先生は、疲労を”体からの警告サイン”として捉えることの重要性を説明しました。疲れているのに無理を続けると、睡眠の質や集中力、自律神経の働きにも影響し、さらに疲れが抜けにくくなる可能性があります。

そのため、これからの健康習慣では”疲れてから休む”のではなく、”疲れをためないように毎日回復する”という考え方が大切になっていくようです。

夏バテ対策で期待される、紅茶ポリフェノールの可能性

近年の猛暑は、体に大きな負担をかけます。暑さの中では、体温を調整するために自律神経が働き続け、知らないうちに疲労がたまりやすくなります。

渡辺先生の講演では、暑熱環境下における紅茶ポリフェノールの探索的研究も紹介されました。

試験では、暑い環境で運動負荷をかけた際に、アイスレモンティーを飲んだ場合と、対照飲料を飲んだ場合を比較。アイスレモンティーを飲んだ条件では、運動中の心拍数の上昇が抑えられる、筋肉の酸素状態に余裕が見られる、回復時の皮膚血流が良好に戻る、主観評価では運動後の眠気が抑えられるなどの統計的有意差が示されました。

また、他の主観的な評価では、疲労感・意欲の改善傾向も見られたそうです。

ただし、これは探索的な研究であり、今後さらに検証が必要とのこと。そのうえで、紅茶ポリフェノールが暑さによる疲労や夏バテ対策の一つとして研究されていることは、日常生活に取り入れやすい健康習慣を考えるうえで興味深い視点です。

”疲れをためない”ために今日からできること

渡辺先生が提案していたのは、特別な対策ではなく、毎日の生活リズムを整えることでした。

朝は、起きたら光を浴び、軽く体を動かし、水分を補給する。食事の前には紅茶を取り入れ、体を目覚めさせる。日中は冷房を上手に使いながら、同じ姿勢を続けず、短い休憩やストレッチを挟む。夜はぬるめのお湯に浸かり、スマートフォンなどの強い光を控え、睡眠の質を整える – こうした小さな積み重ねが、疲労をためにくい体づくりにつながります。

大切なのは、疲れを我慢することではありません。疲労を早めに感じ取り、回復する時間を日常に組み込むことです。

まとめ|食前の一杯から始める、夏の新しいウェルネス習慣

今回のセミナーで印象的だったのは、「糖化」「血糖値」「脂質」「疲労」「夏バテ」が別々のテーマではなく、毎日の生活習慣の中でつながっているということでした。

食事の前に紅茶を飲む”ティーファースト”は、糖質や脂質、血糖値、糖化を意識するきっかけになります。そして、紅茶ポリフェノールは暑熱環境下の疲労についても対策となり得る可能性があります。

もちろん、紅茶だけで健康や美容の悩みが解決するわけではありません。基本となるのは、バランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動、こまめな休養です。それでも、毎日の食事の前に一杯の紅茶を取り入れることなら、今日から無理なく始められます。

夏バテや疲労、糖化が気になる季節。自分の体をいたわる新しい習慣として、”ティーファースト”を取り入れてみてはいかがでしょうか。

紅茶ポリフェノールラボ Webサイト

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