雨水をためて街を冷やす地面とは? 東邦レオ「Beat the Heat」の仕組み

雨が降ると、街に落ちた水は舗装の上を流れ、排水溝へ向かいます。晴れた日には、その舗装が日差しを受けて熱をため込みます。雨と暑さは別々の問題のようですが、地面のつくり方を変えることで、両方に備えようとする取り組みがあります。

「東邦レオ」が進める「Beat the Heat」は、雨水を地中にため、晴れた日に地表を冷やす仕組みを生かしたプロジェクト。10月に神田で開催された「KANDAフェス2026」では、その考え方を体験できる展示が行われました。

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雨を地中にためる基盤材「J-Mix」

都市では、地面がアスファルトやコンクリートで覆われている場所が多く、雨水が地中にしみ込みにくくなっています。短時間に強い雨が降ったとき、雨水が一気に流れ出すことも課題のひとつです。

そこで使われる基盤材のひとつが「J-Mix」です。再生骨材に腐植をコーティングした素材で、石と石の間にできるすき間に雨水をため、地中へ浸透させます。腐植は植物の根が伸びる環境づくりにも役立つもの。製品情報では、J-Mixの空隙率は41%とされていて、詳しくは、「東邦レオ」の「J-Mix」製品情報で紹介されています。

会場では、「東邦レオ」株式会社 「Sustainable Solution」事業の田中克奉さんから、「J-Mix」の仕組みについて説明を伺いました。石のすき間に雨水を受け止めることで、雨水の流出を抑えることに加え、地表の冷却や植物の生育にもつなげていくことができるそう。実物を前に話を聞くと、地面が単に人や車を支えるだけでなく、水の循環を支える役割も担うことが見えてきます。

Photo by : 東邦レオ

雨の日の水を、晴れた日の涼しさへ

地中に蓄えられた水は、晴れた日に地表へしみ上がり、蒸発するときに周囲の熱を奪います。打ち水をすると涼しく感じるのと同じ”気化熱”の働きです。

また、「Beat the Heat」では、白色系の素材で太陽光を反射し、地面に熱をためにくくする工夫や、植物を健やかに育てる仕組みも組み合わせています。

「東邦レオ」は、色の反射、水分と気化熱、植物の働きを用いた地表涼化システムについて、地表温度を最大約20℃低減すると発表しています。(これは同社が示す地表温度の数値で、周囲の気温が一律に20℃下がるという意味ではありません。)仕組みの概要は、東邦レオのヒートアイランド対策ページでも確認できます。

地面に近い場所で過ごす人にも関わる、暑さ対策

地表の熱は、地面に近いほど影響を受けやすくなります。子どもやベビーカーの赤ちゃん、ペットなどにとって、歩道や広場の暑さは身近な問題です。

地面の温度を抑える工夫が街の中に広がれば、駅前や公園、ホテルの周辺などを歩くときの快適さにもつながる可能性があります。雨水を地中にためる仕組みも、豪雨時の水の流れを抑える対策のひとつです。ただし、これだけで浸水を防げるわけではなく、効果は地盤や施工場所などの条件にも左右されます。

地面から、街の過ごしやすさを考える

雨が降ったときには水を受け止め、晴れた日にはその水を冷却に生かす。
さらに、その地面が植物の生育を支える。

こうした仕組みは、暑さや豪雨への備えを、街の景観や日々の過ごしやすさと一緒に考えるきっかけになります。

旅先で街を歩くときも、道の暑さや公園の心地よさは、その場所で過ごした印象に大きく関わります。子どもやペットと安心して歩ける場所が増えることは、暮らしやすさだけでなく、訪れる人にとっての街の魅力を知っていくことにもつながっていくでしょう。

地面の下に水を蓄えるという工夫から、豪雨にも猛暑にも備える街づくりが始まっています。

取材協力:東邦レオ

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Kiwako Horiのアバター Kiwako Hori Voyage Editor

旅・美容・ライフスタイルメディアで執筆するライター、エディターとして活動。取材から執筆、ディレクションまで携わる。
元々は国際線CAで、旅やホテルステイが大好き。これまでに訪れた海外は25カ国以上、50都市を超える。
心も体も美しく健やかにいられるライフスタイルを実践中。

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