健康や美容への意識が高まるなか、いま世界で注目されているのが「食物繊維」。なかでも、腸内細菌のエサとなる「発酵性食物繊維」が、新たなキーワードになっています。
そこでVoyage編集部・リーダーズのMiki TV.が、2026年10月31日、東京・世田谷のHOME/WORK VILLAGEで開催された報告会を取材。
テーマは、「ミツカン」の「Fibee(ファイビー)」と腸揉みを9日間続け、「サントリー」の腸活アプリ「腸note」で変化を記録するというユニークなトライアル。さらに、発酵性食物繊維を取り入れたパンの試食や、「世田谷パン祭り2026」での取り組みも紹介されました。難しく考えがちな腸活ですが、実は毎日の食事を少し工夫するだけでも始められる、発見のある取材となりました。

世界はいま、たんぱく質から「ファイバー」にも注目
最初に登壇したのは、一般社団法人 発酵性食物繊維普及プロジェクト事務局長の西沢邦浩さん。紹介されたのは、CNNが取り上げた食物繊維のトレンドです。

アメリカでは、特にZ世代を中心に腸の健康への関心が高まり、TikTokでは食物繊維の摂取量を積極的に増やす「ファイバーマキシング(Fibermaxxing)」が話題に。食品メーカーからも、食物繊維をアピールした新商品が続々と登場しています。
これまで健康やボディメイクといえば、何かと「高たんぱく」が注目されてきましたが、そこに食物繊維という新しい視点が加わっているのです。西沢さんによると、食物繊維のなかでも、その「発酵性」に注目している点では日本が先行しているそう。また、高たんぱくで食物繊維の少ない食生活が腸内環境に悪影響を及ぼす可能性を示した研究も紹介されました。
大切なのは、たんぱく質か食物繊維か、という二者択一ではなく、両方をバランスよく取り入れること。
日頃からたんぱく質を意識している人ほど、食物繊維にも目を向けてみる価値がありそうです。
目標は1日25g以上。でも、まずは「プラス3g」から
講演で紹介された食物繊維の摂取目標は、1日25g以上。一方、日本人の実際の摂取量の中央値は13.3gと、目標にはまだ開きがあります。さらに、発酵性食物繊維の摂取状況を考えるうえで参考となる水溶性食物繊維は、1955年と比較して1日あたり約3g減少しているとのこと。
そこで提案されたのが、「毎日の食事に発酵性食物繊維をプラス約3g」という、シンプルな習慣です。
そもそも発酵性食物繊維とは、腸内細菌によって発酵・利用される食物繊維のこと。腸内細菌のエサとなり、腸内環境や私たちの健康を支える働きが期待されています。実は、特別な健康食品だけに含まれているわけではありません。
オートミール、麦ごはん、全粒粉パン、ライ麦パン、納豆、大豆、さつまいも、ごぼう、バナナ、りんご、アボカドなど、身近な食材にも含まれています。なかでもポイントとなるのが、主食の穀物と副菜。いつもの白米を麦ごはんに、食パンを全粒粉パンに替えてみる。そんな小さな選択の積み重ねが、腸活につながります。
108人が挑戦!「Fibee×腸揉み」9日間の腸活トライアル
続いて登壇したのは、サントリーホールディングスで「腸note」事業責任者を務める金川典正さんによるアプリの結果報告。

腸noteは、スマートフォンを使ってお腹の「腸音」を測定し、腸の状態を記録できるアプリです。


今回のトライアルでは、2026年10月1日から9日間、「ミツカン」の発酵性食物繊維を取り入れた食品ブランド「Fibee」を食べ、腸揉みを行いながら、お通じや腸音などを毎日アプリに記録しました。
参加者は108人。そのうち56人が9日間のプログラムを完了しました。参加前のデータでは、約67%が腸noteで分類される「イキイキ」以外の腸タイプに該当。お通じの回数は平均1日0.73回、腸スコアの平均は75点だったそうです。そして9日間に記録された数字が、なかなか興味深いものでした。
- お通じの記録:634回
- お通じの量:約91kg(お米10kg袋なら約9袋分)
- 腸音の測定:619回
- Fibeeを食べた回数:261回
- 腸揉みを行った回数:300回
ちなみに、お通じが最も多く記録された時間帯は朝7時台。
報告によると、取り組み開始後4日間でお通じの頻度が週あたり約1.5回増加。便の量にも増加が見られ、形状は保たれていたそうです。また、取り組みを行った日はお通じが多くなる傾向があり、同時期に参加しなかった人との比較でも回数の増加が報告されました。
ただし、今回は比較対象となった人数が40人、期間も9日間という小規模・短期間のトライアル。「Fibee」や腸揉み、それぞれの効果を個別に証明するものではありません。(※ 2026年10月27日時点の速報データ。)
私が興味深いと感じたのは、数字の変化だけでなく、自分の腸の状態を「見える化」するという発想です。最後の座談会でも、参加者からは「続けることで変わっていく」「まずは腸活を意識することが大切」といった声が聞かれました。
食生活や体調は、なんとなく感覚だけで判断しがちなもの。アプリを使って毎日記録することで、自分の身体に目を向けるきっかけになるのは面白いと感じました。
おいしいパンを食べていたら、自然と腸活に。「KINNOE」で発見
そして今回、個人的にとても印象に残ったのが、発酵性食物繊維を取り入れたパンのおいしさです。会場となった「HOME/WORK VILLAGE」には、発酵性食物繊維を専門に扱うお店「KINNOE」があります。発酵性食物繊維の正しい知識を伝えながら、毎日の食事に気軽に取り入れるきっかけを提案しているお店です。

今回は、はくばくの素材や、日清製粉が開発した発酵性食物繊維を豊富に含む小麦粉「アミュリア」、ミツカンの「Fibee」などを使ったコラボレーションパンを試食しました。
これが、どれも本当においしい!
食物繊維を意識したパンというと、健康にはよさそうだけれど、味や食感はどうなのだろう?と思う人もいるかもしれません。でも、そんなイメージをいい意味で裏切ってくれました。

「腸活のために頑張って食べる」のではなく、「おいしいパンを楽しんでいたら、自然と腸活にもつながっていた」。
そんな感覚で続けられるなら、毎日の食生活に取り入れるハードルもぐっと下がります。健康とおいしさは、どちらかを我慢して選ぶものではないのだと、改めて感じました。
「世田谷パン祭り2026」でも”パンで腸活”が話題に
日本最大級のパンイベント「世田谷パン祭り2026」にも「KINNOE」が出店し、発酵性食物繊維をおいしく楽しめるパンが勢ぞろいしました。


ブースでは、対象のパンを購入してお気に入りに投票する参加型企画「パンで腸活」を展開。「パンで腸活」のシールが貼られたパンを購入し、「KINNOE」ブースの投票ボードにシールを貼って推しパンに一票を投じると、景品がもらえるという楽しい仕掛けも。ラインナップもバラエティ豊かです。
「Fibee」からは「2種の果実とシナモン デニッシュ」「ショコラオレンジ デニッシュ」「トマトバジル デニッシュ」。
「お茶の水女子大学」の公認サークル「Ochas」とのコラボレーションでは、「キャロットケーキパン」「どんぐりパン」「もちもち餃子パン」と、ユニークなパンが登場。
さらに、「日本パンコーディネーター協会」とのコラボレーションによる「アップルチーク風クロックムッシュ」や「もち麦の贅沢ふわもちドーナツ」など、甘いパンから食事パンまで充実していました。パンを選ぶ楽しさに、食物繊維という新しい価値が加わる。こうした取り組みが広がれば、腸活はもっと身近で、楽しいものになりそうです。


完璧を目指さなくてもいい。今日の1食から、プラス3g
健康のために何かを始めようとすると、つい完璧を目指してしまいがち。でも、今回の取材を通して感じたのは、腸活はもっと自由で、気軽なものでもいいということでした。
毎日25g以上の食物繊維を摂るという目標を、最初から完璧に達成しようとしなくてもいい。まずは、いつもの主食を少し替えて、パンを買うときに発酵性食物繊維を意識して選んでみたり、アプリで自分のお腹の状態を知ることから始めてみることから、気を配っていきたいですね。そして何より、おいしく、楽しく続けられることは大事!
たんぱく質だけでなく、食物繊維にも目を向ける時代。まずは1日プラス3g。今日の一食から、そんな小さな腸活を始めてみてはいかがでしょうか。

